児童精神科外来
- 児童精神科外来の特殊性について
- 成人を対象とした一般精神科外来と比較して、以下のような特殊性があります。
- 一般に診療に時間がかかる；1回あたりの診療という意味と、経過が長いというふたつの意味があります
- 成長過程での症状は多様なかたちをとりやすく、診断をきちんと付けることが難しいことが多い
- 不登校という形を取りやすい
- 各種検査の重要性；ご本人の状況の根幹に、発達障害による生活のしづらさがあることが多いためです。また他の疾患との鑑別のためにも検査は重要な役割を持っています
- 上記のような特殊性があるために、児童精神科外来では一般精神科外来と比較して1回あたりの医師の診療時間を長めに設定しており(再診の方は15分程度です)、また臨床心理士によるカウンセリング(1回あたり45分程度です)も優先的に予約を取っています。
診療の初期の段階では、ご本人は顔を出せないことも珍しくないため、家族相談という形を取ることが多いです。診療の進展によっては、医師の往診を行うこともあります。
事前相談について；上記の特殊性から、診療の効率化を図るために、事前のメール、または院内で診察までの間に所定の用紙に記載いただくことでのコミュニケーションを限定的に導入しております。詳しくは初診時にご案内いたします。
- このような症状はございませんか？
- 【自閉症スペクトラム障害(アスペルガー障害、広汎性発達障害)、注意欠如多動性障害(ADHD)】
- 言葉の発達の遅れ
- ことばが遅れていたり、一問一答になってしまったりして会話にならない
- オウム返しといわれるような特有の応答をする
- 遊びのルールや役割を理解できない
- パターン化した行動、興味、関心の偏り
- 不器用（言語発達に比べて）
- 多動、多弁（じっとしていられない)
- 衝動的に行動する（考えるより先に動く）
- 「読む」、「書く」、「計算する」などの能力が、全体的な知的発達に比べて極端に苦手
- 視線が合わない，友達関係が作れない、他人と興味を共有できない、感情が伝わらない
- 【統合失調症】
- 幻覚・妄想とともに、生活に障害が現れる
- 幻聴；誰もいないのに人の声が聞こえてくるというかたちを取ることが多い
- ほかの音に混じって声が聞こえてくるという幻聴
- 「街ですれ違う人に紛れている敵が自分を襲おうとしている」「近所の人の咳払いは自分への警告だ」（被害関係妄想）
- 「道路を歩くと皆がチラチラと自分を見る」（注察妄想）
- 「警察が自分を尾行している」（追跡妄想）
- 「考えていることが声となって聞こえてくる」（考想化声）
- 「自分の意思に反して誰かに考えや体を操られてしまう」（作為体験）
- 「自分の考えが世界中に知れわたっている」（考想伝播）
- 話のピントがずれる、話題が飛ぶ、相手の話のポイントや考えがつかめない
- 作業のミスが多い、行動の能率が悪い
- 感情の動きが少ない、物事に適切な感情がわきにくい、感情を適切に表せずに表情が乏しく硬い
- 部屋が乱雑でも整理整頓する気になれない、入浴や洗面などの身辺の清潔にも構わない
- 仕事や勉強をしようとする意欲が出ない
- 【摂食障害（拒食症）】
- 食事をしても嘔吐してしまう
- 周りからの視線を気にしすぎる
- 物事を柔軟に考えることができなくなる、思考力の低下
- 虫歯になりやすい
- 嘔吐したり、大量の下剤を使ったことが原因でひきつりや体に力が入らない
- 栄養不足とストレスなどによって生理不順になる
- 毛深くなる
- 嘔吐の繰り返しによる足や顔のむくみ
- 【摂食障害（過食症】
- 際限なく食べてしまう
- 食べて、美味しいという感覚はなく、ただ口の中にできるだけ沢山の食べ物を詰め込もうとする
- 食べたものをすべて吐いてしまう
- 頻繁に嘔吐するようになり、臭いが体に染み付く
- 過食と拒食を繰り返し、痩せてしまう
- 虫歯になりやすい
- 栄養不足とストレスなどによって生理不順になる
- 嘔吐の繰り返しによる足や顔のむくみ
- 思い当たる症状がございましたら、ご相談下さい
