佐久市中込の精神科クリニックです*児童精神科、成人の一般精神科、老年精神科、訪問診療を行っております。

BSPセミナー始末記

土曜日にお休みをいただき、東京で表題のセミナーに出てきました。
「ブレイン・スポッティング」(Brain Spotting)の頭の数文字をとってBSP。

EMDRから派生したというその技法を、3日間のセミナーで体験してきたのですが…
良い意味で、現代風ではない。と感じました。
EMDRでは人差し指と中指を合わせた、忍者漫画で「印」として出てきそうな二本指を動かしてその指標を追わせるのですが、
その指標が止まっている。「ではこれを、またしばらく見ていてください。」その、しばらくというのが、10分、15分だったりする。
それでひとつのセッションが30分だったり、80分だったりするのです。

この間、脳の皮質下の深いところでは処理が進んでおり、それが時にはEMDRで効果が持続しなかった症例だとか、
複雑性PTSDの症例にも効果あるという。

少し多動気味の私としては、デモンストレーションでS先生とお相手が向き合って、指示棒を見つめてコトリとも音がしないのを皆見つめている
という光景がとても信じられないという状況でした。私がそのときに椅子に座っていたら確実に、寝てしまったであろうと思われます。

ですが、EMDRと同じくトラウマ処理に用いられるこの技法が、EMDRのきもである「両側性刺激」を手放して、(完全にではないようでしたが)
そればかりかEMの対極にある(指標が動かない)方法で、EMDRを超えるような効果を得る(ときもある)。

正中線(両目の真ん中の線)を超えて指標を追い続ける、またはUSPTにおいて両膝をタッピングするような、「両側性刺激」が人間にとって何かの
治療的意義があると同時に、不安や、または不安に影響を受けずに本人のよりどころとして考えられる身体感覚を強めるような「スポット」を
見続けることも治療的意義がある。あらためて、人間の精神の玄妙さを目の当たりにした気分でした。
さらに、動き続けること、数をこなすことが重要視される効率化された現代(日本)社会において、ひとつところにじっととどまって、見つめ続ける、
あり続けるということが治療的意味を持つということ。これは大げさに言えば哲学的な、生き方に通じるものがあるのではないか。そう感じた次第です。

いや~、私としては、この夏に東京に出向いて、10数年来付き合いのある大学の同期と飲み食いしてきたということがいちばんの成果でした。
先月の学会もそうでしたが、時々こういう場に出向くのはとても刺激的なものです。
また冬、忘年会か、新年会に向けて頑張る気力がわいてきました。

(写真)
・講義風景。これは3日目の最後の日でした。こういう場って、撮影お断りになることが多いのですが、みんなパシャパシャ撮っていたなあ。
それだけフランクで自由な場だったと思います。
・その中で扱われたスライドの一部。こんな風に神経が活性化しますよ、と言いたかったのだと聞き取りましたが、おお…何かすごいことになってます。
「チャ〇ラがデカ過ぎる!」
「何てバカでけーチ〇クラだ…」
そんな感じです。

・会場となった高田馬場の貸会議室。こんなの佐久平にあったら、大勢でミーティングができますね。
・夜の高田馬場。
・それで、お料理の写真を一つだけ。「鶏のたたきの水菜和え」かな?私もその気になれば作れそうな感じです。がとても美味しくいただきました。
隠し味鶏ガラスープをいれたくなる感じ。

 
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